一般社団法人 日本医師コーチング協会

有吉彰子医師 JCHO九州病院

どこにいても世界へ飛び出せる
― 制約の中で“私の道”を切り拓くまで

JCHO九州病院で画像診断に携わりながら、医学教育や公衆衛生へと関心を広げてきた有吉彰子医師。

診療、子育て、転居を重ねる忙しい日々の中でも、「もっと早く防ぐ方法はなかったのだろうか」という問いが心に芽生え、やがて「自分はどこへ向かいたいのか」という、より根源的な問いへとつながっていきました。

そんなとき、学生時代の恩師との対話をきっかけに、コーチングの世界に触れるようになります。

「自分の人生を捧げる価値のあるビジョンは、自分で自由に決めてよい」

その言葉は、有吉医師の生き方とキャリアの軸を、静かに、しかし確かに変えていきました。

いま彼女は、4人の子育てとオンライン留学を楽しみながら、医師としての新しい未来を切り拓こうとしています。

ご自身のストーリーを象徴する一言を教えてください。

どこにいても世界へ飛び出せる。

自分の軸を見つけ、道を切り拓いていけることだと思っています。

まず、コーチングに出会う以前のご自身について伺えますか。
どんな毎日を過ごしていて、どんな思いを抱えていたのでしょうか。

画像診断医として多くの画像を診る中で、「もっと早く防ぐ方法はなかったのだろうか」と、患者さんが受診される前の状況に次第に関心を持つようになりました。

しかし、その問いを深く掘り下げていくための方法を、当時の私は持ち合わせていませんでした。

また、夫の医局人事による僻地への転居や、頻繁な転勤に伴う超遠距離通勤の中で、目上の方に言われた通りに頑張ることが正しいのだと考えながら働いていました。

そこに子育ても重なり、日々に閉塞感を覚えていましたが、育休期間に臨床から一度離れたことで、ようやく自分自身を見つめ直す時間を持つことができました。

そんなタイミングで、どのようにコーチングと出会われたのでしょうか。

大学時代に出会った恩師との再会が、コーチングとの出会いのきっかけでした。

振り返ってみると、気づかないうちに、その恩師から自然とコーチングを受けていたのだと思います。

人生のターニングポイントを迎える前には、必ずその方と話す機会を持つようになり、「自分の人生を捧げる価値のあるビジョンは、自分で自由に決めてよい」ということを、繰り返し伝えてくださいました。

その言葉をきっかけに、インストラクショナルデザインを通じて、時間や場所に縛られない学びの在り方に目覚め、興味のある分野をより主体的に吸収するようになりました。

コーチングを学んだことで、一番大きな変化はどのような点でしたか?

コーチングを学んだことで得られた最大の収穫は、自身や周囲の感情に翻弄されることなく、一歩引いて事象の背景を捉えるメタ認知の視点が身についたことです。

以前であれば、身近な人の言動に対してただ苛立ちを感じていたような場面でも、現在は相手の抱える承認欲求や、自分自身の満たされていない感覚に目を向け、より冷静に捉えられるようになりました。

また、未来逆算思考の視点を持てたことで、日々の出来事をビジョン実現に向かうプロセスとして前向きに意味づけることができています。

自身のミスに対しても、過度に自己否定するのではなく、AIツールの活用や仕組み化によって改善を図る姿勢が定着してきました。

さらに、自分の中にある違和感やモヤモヤを言語化し整理する力が高まったことで、後輩医師の相談に乗る場面や、家族のキャリア形成に伴走する場面など、他者への具体的な関わりにもつながっていると感じています。

感情を単なる反応で終わらせるのではなく、好奇心へと変換しながら、課題を俯瞰して捉えられるようになったこと。

これが、この1年で得られた最も大きな変化であると実感しています。

最後に、これからのビジョンを教えてください。

一人でも多くの医師が、自分の人生を自分自身で楽しみながら歩んでいける世界をつくりたいと考えています。

そのために、周囲に良い変化を広げていける change agent を、これからさらに増やしていきたいと思っています。

この想いは、これまで私を励まし、育ててくださった恩師や社会への恩返しでもあります。

人生100年時代といわれる今、家族や仲間とともに学びを楽しみながら、良い変化を起こし続けられる人でありたいと願っています。

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