I am enough ― 自分を許したら、医療がもっと優しく深くなった
20年以上にわたり、医師としてメンタルヘルスの診療に向き合ってきました。
診療に加え、女性医師支援やDE&Iの推進など、医療の枠を越えた活動にも関わってきました。
仕事もプライベートも全力で取り組み、やりたいことには一通り挑戦してきた。
それでも心のどこかに、満たされない感覚が残り続けていたのです。
50歳を前に、「このままで本当にいいのだろうか」。
その問いは、ある日突然ではなく、静かに、しかし確かに大きくなっていきました。
そんな時に出会ったのが、コーチングでした。
「患者さんには6割でいいと言えるのに、なぜ自分には厳しいままなのでしょうか」
その問いに触れたとき、私は初めて立ち止まりました。
そして少しずつ、「I am enough」と自分に言ってあげることを覚えていきました。
自己受容が深まったとき、患者さんとの対話はより豊かになり、医療の在り方そのものが変わっていったのです。
ここからは、コーチングを通して森屋医師がどのような変化を経験し、現在のビジョンに至ったのかを伺います。

ご自身のストーリーを象徴する一言を教えてください。
自己犠牲のない貢献へ。
“I am enough” と気づけたことが、私にとっての大きな転機でした。
コーチングに出会う以前は、どのような日々を過ごしていたのでしょうか。
20年以上、メンタルヘルス診療に携わりながら、女性医師支援やDE&Iの推進にも関わってきました。
仕事も家庭も全力で向き合い、できることはすべてやってきたつもりでした。
それでも、心の奥に残る「満たされなさ」は消えなかったのです。
50歳という節目を前に、「このまま走り続けていいのだろうか」という問いが、次第に大きくなっていきました。
コーチングとの出会いは、どのようなきっかけだったのでしょうか。
本当に偶然でした。
元同僚のSNS投稿をきっかけに、浅川麻里先生(日本医師コーチング協会 代表理事)のセミナーに参加することになりました。
その場で「私が探していたのはこれだ」と直感し、
Coaching MD Institute が主宰する女性医師のためのコーチングプログラム LIC 第4期への参加を決めました。
初めてのグループコーチングで投げかけられた
「患者さんには6割でいいと言えるのに、なぜ自分には厳しいままなのでしょうか」
という問いは、胸の奥に深く響きました。
コーチングを通して、どのような変化がありましたか。
まず「自分を大切にすること」が、結果的に周囲への優しさや医療の質につながるのだと、自然に理解できるようになりました。
感情との向き合い方や言葉の選び方が変わり、“I am enough” と自分に言える瞬間が、少しずつ増えていきました。
それに伴い、患者さんとの対話も深まり、「症状」だけでなく「その方の人生」に寄り添えているという実感が強くなりました。
自分自身の理想の在り方や未来のビジョンも明確になり、周囲に愛や癒し、そして希望を届けられる存在でありたいという思いが、自然と芽生えていったのです。
最後に、これからのビジョンを教えてください。
コーチングを通じて、すべての医療者が心と身体のWell-beingを大切にしながら、家族や地域、職場の中で、自分らしい人生をのびやかに楽しめるよう支えていきたいと考えています。
対話を重ねることで、一人ひとりが「その人らしさ」を思い出す時間を増やし、医療の世界に、よりしなやかで多様な働き方が広がる未来をつくっていきたいと思っています。
